「あまり葬儀に参列することもないから、突然の訃報に戸惑う!洋服どうしよう・・・」

と、葬儀に参列する度に、葬儀参列のマナーや服装のことが分からなくなり、調べることってありますよね。

特に女性は、

アクセサリーは身に着けていいのか?
パンツを履いた方がいいのかスカートを履いた方が良いのか?
ビジネス用のスーツでいいのか?
年代によって着る服も変えていった方が良いのか?
ストッキングの色は黒が良いのか?肌色が良いのか?

等、迷うポイントも多いので、すべてのマナーを把握しておくことが難しいですよね。

そこで今回は、女性に向けて、葬儀の服装に関して解説していきたいと思います。

毎回調べる手間を省くためにも、最初に結論を申し上げますが、
現在は準喪服と呼ばれるブラックフォーマルを一着持っておけば、葬儀の服装に困ることはありません。

特に、オールシーズン使えるワンピースやアンサンブルを一着持っておくと、夏でも冬でも着用できるためおすすめです。

そのため、準喪服=オールマイティということを覚えておけば大丈夫です。

スタイル服装対象者着用シーン
正喪服・和装
・モーニングコート
喪主・三親等までの遺族 お通夜・お葬式・三回忌までの法事
準喪服・ブラックフォーマル喪主・親族・参列者お通夜・お葬式・法事
略喪服ダークスーツ( 黒、紺、グレー等)参列者・学生・子供喪主側から平服を指定された時・駆けつけたお通夜・三回忌以降の法事
略喪服(学生)・リクルートスーツ( 黒、紺、グレー等)
・制服
参列者・学生・子供学生が葬儀に参加する場合

女性の喪服マナーを知る前に:3種類の喪服を理解しよう

画像は、女性の「正喪服」の中の和装

女性の喪服は「準喪服」で万能に解決できる

女性の喪服は、「準喪服」と呼ばれる喪服で通夜~葬儀・告別式まで、万能に対応することが出来ます。

準喪服というのは喪服のランクを指す言葉で、全3ランクの中で真ん中の位のものになります。

上から順に、「正喪服」「準喪服」「略喪服」とランクが落ちていき、略喪服は通夜の時にしか普通着ません。

正喪服~略喪服の違いと活用シーンを、もう少し掘り下げて解説します。

3種類の喪服と理論を知っておくことで、今後喪服選びに困りにくくなりますので、是非お読みください。

「正喪服」「準喪服」「略喪服」の違いとは?

画像は、女性の「準喪服」

着用シーンや故人との間柄によって 正喪服を着るべきなのか、準喪服、略喪服を着るべきなのかが変わってきます。

今更ですが、葬儀の流れのおさらいです。下記のような日程で葬儀を執り行うことが多いので、今一度頭に入れておきましょう。

葬儀名葬儀内容日程
お通夜ご納棺・通夜式1日目
葬儀・告別式お別れ・お花入れ・葬儀 / 告別式2日目
火葬ご収骨・火葬2日目

上記シーンに合わせ、着用スタイル・対象者をはめ込むと、下記表となります。

スタイル服装対象者着用シーン
正喪服・和装
・ブラックフォーマル
喪主・三親等までの遺族 お通夜・お葬式・三回忌までの法事
準喪服ブラックフォーマル喪主・親族・参列者お通夜・お葬式・法事
略喪服ダークスーツ( 黒、紺、グレー等)参列者・学生・子供喪主側から平服を指定された時・駆けつけたお通夜・三回忌以降の法事
略喪服(学生)・リクルートスーツ( 黒、紺、グレー等)
・制服
参列者・学生・子供学生が葬儀に参列する場合

通夜と葬儀・告別式で着ていく喪服が変わる?

通夜は1日目に行われることが多く、葬儀・告別式は2日目に行われることが多いです。

日をまたぐということもあって、通夜と葬儀・告別式では着ていく喪服が変わることが一般的とされていました。昔は、「通夜は準喪服、葬儀・告別式は正喪服を着ていく」というスタイルの方が多かったのです。

しかし、最近は通夜も葬儀も全て準喪服で済ませる、という方が多くおられます。また、身内や親族であっても準喪服で葬儀に参列される方も少なくありません。

どっちが正しいということはなく、全て準喪服で統一してもマナー違反にはなりませんので、一着で済ませたいという方は準喪服を一着持つようにしておいてください。

通夜の際に注意したいのは、正喪服で参列することは避けた方が良いということです。

正喪服は一番格が高く、着用するにも手間がかかる喪服なので、着ていると「前々から準備していた」感がでてしまい、通夜にはふさわしくありません。

通夜の際、仕事場から直接向かう方は略喪服・平服でも問題ありませんので、黒のビジネススーツや地味な平服で通夜に向かうと良いでしょう。

女性の準喪服マナーを簡単に理解しよう

女性の準喪服マナーは、ブラックフォーマルといわれる礼式を身に付けましょう。

準喪服マナー早見表:一覧で見ると概要が分かりやすい

準喪服アイテム備考
スーツビジネススーツは×。礼服のスーツで。インナーも黒で統一。スカートの方が好ましい。
アンサンブルスカートはふくらはぎ丈で、膝下10cm程度が理想。
夏は半袖もOK。ジャケット付きのオールシーズン使えるワンピースを持っておくと非常に便利。
ワンピーススカートはふくらはぎ丈で、膝下10cm程度が理想。
夏は半袖もOK。ジャケット付きのオールシーズン使えるワンピースを持っておくと非常に便利。
アクセサリーパールのネックレスと婚約指輪のみOK。
ネイル必ずオフし、地味にする。透明なマニキュアはOK。
靴(くつ)ヒールの高さは3cm~5cm程度で、太目が理想。
金属の装飾などが無いものが良い。
鞄(カバン)殺生を連想させない布地素材で、少し小さいハンドバッグが理想。
メイクラメの入ったアイシャドーは避け、ベージュ系のナチュラルメイクにする。
ピアス・イヤリング基本的にしない方が良い。もし、するとしたら揺れるものやカジュアルな輪っかピアスは避け、地味なものにする。
パールのネックレス洋装には合わせることが多いが、絶対ではない。なるべく綺麗な丸で、かつ、真っ白な球が好ましい。
結婚指輪しても良い。外す必要なし。
ストッキング黒の20デニールのものが好ましい。
コート殺生を連想させない素材で、金属の装飾などが無いものが良い。

女性の喪服マナー、パーツごとのルールは?

上記にて、表でまとめていた喪服のアイテムのルールをこちらで解説していきます。

スーツ

スーツは必ずビジネススーツの黒ではなく、ブラックフォーマル(礼服)の黒を選びましょう。

ビジネススーツの黒は少し光沢があり、明るく見える黒ですが、ブラックフォーマルの黒は光沢が無く、より漆黒に近いため、ビジネススーツとの差は一目で分かります。

ジャケットの下に着用する黒いインナーは、特に指定は無く、脱いでも目立たないインナーであれば大丈夫です。

アンサンブル・ワンピース

アンサンブルとワンピースは黒で統一し、アクセサリーを付けるとしたらパールのネックレスで合わせましょう。(パールのネックレスは必須ではありません)

アンサンブルもワンピースも、ブラックフォーマルとして売られているものを購入し、平服(普通の服)として売られているものを購入することは控えましょう。

通販で買っても良いですが、喪服はサイズ感が大事になってくるため試着ができる環境で購入されることをおすすめします。

アクセサリー

アクセサリーは原則、つけない方が良いです。

つけるとしても婚約指輪とパールのネックレスだけにしておきましょう。

ネイル

ネイルはオフして参列しましょう。派手なネイルは喪に服していると言えず、故人への気持ちが軽率に見えます。透明なマニキュアや薄いピンクなどのマニキュアであれば問題ありませんが、ラメがついていたりキラキラしている爪は事前にオフしておきましょう。

靴(くつ)

靴は金属・金具の装飾がなく、地味な黒色を選びましょう。茶色や紺よりも黒の靴が望ましいです。

また、靴の生地も光沢のあるものを避け、布地で深い黒色のヒールを選びましょう。

ヒールは、高さ3cm~5cm程度の太いものを選ぶと良いでしょう。

足が悪い方や妊婦さんは1cm~3cm程度のヒールでも問題ありません。

5cm以上の高さがあるヒールを選ぶとカジュアルに見え非常識に思われます。

また、ヒールもピンヒールやウェッジヒールなどのカジュアルなものは避けましょう。

鞄(カバン)

鞄は、金属の装飾品やカジュアルな飾りのない、黒のものを選びましょう。

光沢がない、布生地の鞄が好ましいです。

大きさに決まりはありませんが、小ぶりなハンドバックサイズを選ぶと無難です。

香典や財布、ポーチなど入れるものは結構多いため、マチが広く、小ぶりなサイズの割に口が大きく開くバックを選ぶと使いやすいでしょう。

メイク

ラメのあるものやキラキラしているもの、青や紫などの派手な色遣いは避け、ベージュ系のナチュラルメイクで参列しましょう。

口紅やチークも彩度を抑え、よりベージュに近い色味を使うと故人への気持ちが表現できます。

芸能人が派手目なメイク・恰好で葬儀に参列する姿が報道されたりしますが、そういったものは参考にしないようにしましょう。

ピアス・イヤリング

ピアスやイヤリングは原則控えるようにしましょう。

もし、どうしてもしたい時には、真珠1粒の耳飾りにし、使われている金具はシルバーの地味なものにしておくと無難です。

ピアスやイヤリングをしていることで何か言われたり非常識だと思われたり、ということはありませんが、本来のマナーからいくとピアスもイヤリングも不必要なものです。

パールのネックレス

パールのネックレスは洋装に合わせることが可能です。

元々、日本の喪服は和装のみであったため、パールのネックレスを合わせるという文化はありませんでしたが、最近ではワンピースやアンサンブルなどの洋装で参列している方が多いため、西洋の文化であるパールのネックレスを合わせるということが一般的になっています。

真珠は1粒の大きさが7mm~8mm程度の、大粒過ぎず小粒過ぎない白の真珠を選びましょう。また、使われている金具はシルバーのものが相応しいです。

【パールのネックレスは必ずしなくてはいけないの?】

パールのネックレスを必ず喪服に合わせなければいけないということはなく、してもしなくてもどちらでも大丈夫です。

西洋には、「ドレスコード=ネックレスを付けて初めて完成」という文化があるため、日本でも「洋装の喪服の場合、必ずパールのネックレスを付けるべきだ」と言う方もいらっしゃいます。

しかし、実際にはそんなマナーは存在せず、真珠のネックレスをしていないから失礼、ということはありません。

あれば付けて良いですし、なくても買う必要がありません。

結婚指輪

結婚指輪は装飾が派手だとしても、はずす必要は無く、つけたまま参列していて大丈夫です。

ストッキング

ストッキングは、黒で20デニールくらいのものが一番一般的です。

肌がうっすらと透ける程度であれば問題ありません。

真っ黒なタイツは、基本的にカジュアルアイテムとされているためNGになっています。

コート

動物の毛皮のコートは「殺生」を連想させるため、ふさわしくありません。

冬は毛皮のコートを着たくもなりますが、キラキラ光る金具などが使われていない、地味な黒いコートを着ていくと良いでしょう。

その他、女性の葬儀服のマナーに関して

スーツはパンツよりスカートの方が好ましい

パンツスーツであっても勿論問題はありませんが、葬儀時の理想の服装はスカートとされています。

昔はスカートを履くことが普通で、パンツを履く人は少なかったのですが、今はパンツスーツで葬儀に参列する方も増えています。

喪服のスカート丈は総じて露出を控えるためにひざ下10cm程度のふくらはぎ丈が理想とされています。

夏と冬で喪服は変わる?オールシーズンの洋装を持て置くと楽。

夏は暑いため、半袖で葬儀に参列したいと思いますよね。

原則、葬儀の服装は露出を控えなければなりません。しかし、ジャケットを羽織っていれば下が半袖でも全く問題ありません。

ただし、喪服の「半袖」は一般的に5部丈を指します。普通のTシャツのような半袖は好ましくありませんので、この点は注意しておきましょう。

移動中やお食事中などは、ジャケットを脱ぎ、葬儀中のみ羽織ると快適に温度調節ができます。

スーツは中々オールシーズン用というのがありませんが、アンサンブルとワンピースはオールシーズン用の便利な喪服が売られているため、1着持っておくと夏も冬もオールマイティに使うことができます。

喪服を買い替えるタイミングと購入する時のサイズは?

喪服を着るタイミングは少ないため、10年経とうが中々くたびれる、ということはありません。そのため、自分の体型が変わったときが喪服の買い替え時です。

体型は10年程度で変わるため、10年を目安にすると良いでしょう。

また、女性の場合は妊娠・出産時にも体型が大きく変わるので、妊娠時も買い替えのタイミングと考えておいた方が良いです。

また、購入するときのサイズに関して、「今の自分より一回り大きいサイズ」を購入しておくと後々後悔せずに済みます。

およそ10年間使うことになる喪服ですし、年齢を重ねると太りやすくなるため、特にお腹周りがゆったりしているものを選んでおくと長く使うことが出来ます。

喪服の常識が変わりつつある:正喪服の減少

正喪服の和装は、染め抜きの五つ紋の黒無地の黒い着物を着用しますが、昔の喪服はそれが一般的でした。

しかし、現代は女性も社会進出が進み仕事での忙しさや利便性が原因で、和装を着用する方は減り、正喪服ではなく準喪服の着用が一般的となりました。

正喪服=きちんとしている というイメージは依然としてあるものの、遺族だから正喪服でなければならないということはありません。

むしろ、急な知らせに慌てぬよう、オールマイティな準喪服を持っておくことをおすすめします。

まとめ:オールシーズンで使える準喪服を一着常備しておこう

今回は、女性の葬儀の際の服装に関して解説してきました。

オールシーズン使える、アンサンブルまたはワンピースを持っておくと、通夜でも葬儀でも焦らずに着ていくことができるためこの機会に一着持っておくと良いでしょう。