「葬儀に参列するけど、服装が合っているかどうか自信がない…」
葬儀に参列する度に、葬儀参列のマナーや服装のことが分からなくなり、調べることってありますよね。
そこで今回は、男性に向けて、葬儀の服装に関して解説していきたいと思います。
毎回調べる手間を省くためにも、最初に結論を申し上げますが、
現在は準喪服と呼ばれる礼服のブラックスーツを一着持っておけば、葬儀の服装に困ることはありません。
そのため、準喪服=オールマイティということを覚えておけば大丈夫です。
スタイル | 服装 | 対象者 | 着用シーン |
正喪服 | ・和装 ・モーニングコート | 喪主・三親等までの遺族 | お通夜・お葬式・三回忌までの法事 |
準喪服 | ブラックスーツ | 喪主・親族・参列者 | お通夜・お葬式・法事 |
略喪服 | ダークスーツ( 黒、紺、グレー等) | 参列者・学生・子供 | 喪主側から平服を指定された時・駆けつけたお通夜・三回忌以降の法事 |
略喪服(学生) | ・リクルートスーツ( 黒、紺、グレー等) ・制服 | 参列者・学生・子供 | 学生が葬儀に参加する場合 |
そもそも、葬儀の流れってどんななの?
服装をチェックする前に、そもそもの葬儀の流れを一度確認しましょう。
葬儀の流れを確認し、それぞれの儀式の意味を理解することでふさわしい服装がよく理解できます。
葬儀の流れは、以下のようになります。
ご自身が参列される葬儀を確認し、次章からふさわしい服装をチェックしていきましょう。
葬儀名 | 葬儀内容 | 日程 |
お通夜 | ご納棺・通夜式 | 1日目 |
葬儀・告別式 | お別れ・お花入れ・葬儀 / 告別式 | 2日目 |
火葬 | ご収骨・火葬 | 2日目 |
葬儀時、男性の喪服・服装のマナーは?
葬儀で着用する喪服は、4つの種類に分類することが出来ます。
①正喪服
②準喪服
③略喪服
④学生の略喪服
の、4つです。
それぞれの喪服の服装と着用シーンをまとめると、以下の表のようになります。
スタイル | 服装 | 対象者 | 着用シーン |
正喪服 | 和装モーニングコート | 喪主・三親等までの遺族 | お通夜・お葬式・三回忌までの法事 |
準喪服 | ブラックスーツ | 喪主・親族・参列者 | お通夜・お葬式・法事 |
略喪服 | ダークスーツ( 黒、紺、グレー等) | 参列者・学生・子供 | 喪主側から平服を指定された時・駆けつけたお通夜・三回忌以降の法事 |
略喪服(学生) | ・リクルートスーツ( 黒、紺、グレー等) ・制服 | 参列者・学生・子供 | 学生が葬儀に参列する場合 |
一般的な喪服というと、「準喪服」のことを指し、どんな立場の方であっても広いシーンで着用できる点が特徴です。
一般の参列者は、遺族や近親者よりも、格式を下げた装いにするのがマナーであるため、準喪服を着用する機会が多くなります。
また、準喪服は礼服のブラックスーツであり、略喪服はビジネススーツやリクルートスーツの地味で黒に近い色のスーツのことです。学生であれば、制服を指します。
上記の表を、葬儀の流れに合わせてまとめると以下のようになります。
葬儀名 | 葬儀内容 | 日程 | 服装 |
お通夜 | ・ご納棺・通夜式 | 1日目 | ・正喪服(喪主または三親等までの遺族)・準喪服 |
葬儀・告別式・火葬 | ・お別れ・お花入れ・葬儀 / 告別式・ご収骨・火葬 | 2日目 | ・正喪服(喪主または三親等までの遺族)・準喪服・喪主から指定がある場合、指定に沿う |
多くの方は、準喪服を着用することになると思います。
そのため次章からは、まず男性の準喪服のマナーについて解説していきたいと思います。
男性の準喪服のマナーとは?
【準喪服】着用するアイテム | 特徴 |
礼服売り場にあるブラックスーツ | ・シングルまたはダブル(どちらでも〇)・スリーピースの場合、ベストも黒に統一 |
ワイシャツ | ・白無地 |
ネクタイ | ・黒の無地・織り柄(織り目が模様のようになっているもの) |
タイピン | ・付けない |
靴 | 光沢のない黒い靴 |
靴下 | 黒 |
男性の準喪服は、ダブルまたはシングルのブラックスーツのことを指します。
ビジネススーツの黒を着用してはいけません。
ビジネススーツの黒と、礼服の黒は色の違いが一目瞭然であるため、1着はマナーとして礼服のブラックスーツを持っておきましょう。
スーツでのダブル、シングルの違いは、ボタンを締めた際にボタンが1列に並ぶか2列に並ぶかの差です。
ダブルでもシングルでも格式や意味などは変わらず同格であるため、選ぶ際は好みでかまいません。
ベストも着用しているスリーピースタイプである場合は、ベストも必ず黒で統一してください。
ワイシャツは白無地、ネクタイは黒の無地や織り柄を選びましょう。
タイピンは付けません。
マナーその2:準喪服のブラックスーツとは、礼服のスーツのこと。
男性の正喪服のマナーとは?
【準喪服】着用するアイテム | 特徴 |
礼服売り場にあるブラックスーツ | ・シングルまたはダブル(どちらでも〇)・スリーピースの場合、ベストも黒に統一 |
ワイシャツ | ・白無地 |
ネクタイ | ・黒の無地・織り柄(織り目が模様のようになっているもの) |
タイピン | ・付けない |
靴 | 光沢のない黒い靴 |
靴下 | 黒 |
最近は喪主でも準喪服で行う方が増えているため、正喪服を着用する機会は少なくなってしまいました。
しかし、元々は正喪服を着用することがマナーとされておりましたので、正喪服について知っておいて、損はないでしょう。
正喪服を着るのは喪主と三親等までの親族とされています。
正喪服の中でも和装と洋装に別れており、和装の場合は紋付羽織袴、洋装の場合はモーニングコートを着用することがマナーとされています。
【正喪服】和装 | ・五つ紋・黒の羽二重の紋付羽織袴(五つ紋とは、背中、両袖、両胸の五か所に家紋の入ったもののこと) |
【正喪服】洋装 | ・黒で統一されたモーニングコート |
正喪服は持ち合わせが無いことも多いため、最近は葬儀社や業者からレンタルする方が増えております。
そのため、一着持っていないからと言って、マナー違反とは言えません。
持っていないからと言って、不安にならずとも大丈夫です。
無理に正喪服を間に合わせて着用する必要もありません。
ただし、準喪服は必ず一着持っておくようにしましょう。
マナーその3:本来は、喪主と三親等以内の遺族が正喪服を着ることがマナーとされていた。現在は、喪主であっても準喪服を着る方が増えている。
葬儀の服装、喪服に関するQ&A
ここからは、喪服に関して多くの方が疑問に思うこと、不安に思うことをQ&A形式でまとめました。ご覧ください。
葬儀の喪服に関する疑問1:参列するのは紺やグレーのスーツでもいいの?
一般参列者であっても、喪主や遺族であっても、原則、黒のスーツを着用するようにしてください。
しかし、駆けつけた通夜の場合と学生の場合は、例外的に濃紺の礼服でもかまいません。
通夜に参列する際、あえて平服(略喪服)を付けていても「訃報を聞いて慌てて駆けつけました」というニュアンスを伝えられるので失礼にはあたらないとされています。
しかし、ラフすぎる恰好や黒とあまりにもかけ離れた色のスーツはもちろんNGです。
濃紺や濃グレーであれば良いですが、鮮やかな紺や薄いグレーは通夜に合いません。
普段から通夜用のダークスーツを持ち合わせて置き、会社のロッカーなどに入れておくと訃報の際も慌てずに済みます。
また、学生の場合はリクルートスーツ、制服でもかまいません。
喪服を持っていないからと言って、わざわざ買う必要もありません。
服装が黒じゃなくても良い場合 | 備考 |
通夜の場合 | 濃紺やグレースーツでもOK |
学生の場合 | 制服やリクルートスーツでOK |
葬儀の喪服に関する疑問2:靴に決まりはあるの?
喪服同様に、靴も黒くて装飾がないものが理想です。
靴は、以下のように素材と色、つま先と装飾に注目して選ぶようにして下さい。
チェック項目 | 備考 |
素材 | 光沢がなく、布系であるもの(本革や合成皮革、もしくはポリエステルなど) |
色 | 黒系出来れば紺・茶・グレーも避ける |
つま先のデザイン | ・ストレートチップ(つま先に一本線のラインが入ったデザインのもの)…最もフォーマルとされる。 ・プレーントゥ…ストレートチップの次に理想とされている |
靴ひものヒモを通す部分の皮 | ・内羽根(靴の外側に向いていないデザイン)…最もフォーマルとされている ・外羽根(靴の外側に向いているデザイン)…内羽根の方が理想的ではあるが、外羽根でも問題ない |
また、男性の靴の場合、以下のような靴は出来れば着用を避けた方が良いです。
ウイングチップ(つま先が羽のようにW字に切り替えのあるデザイン) | 装飾があるためNG |
Uチップ(つま先から甲にかけてU字型に切り替えのあるデザイン) | カジュアル向きのためNG |
ローファー | 本来はカジュアル向きであるためNG。学生の場合は問題ない。 |
葬儀の喪服に関する疑問3:夏の準喪服はどうしたらいいの?
夏の喪服は、暑さに備え、2つのパターンが考えられます。
- 半袖のYシャツの上からジャケットを羽織り、控室などではジャケットを脱いで対応する
- 夏用の準喪服を買う
という、上記の2パターンです。
ジャケットは、葬儀の最中でなければ特に脱いでも大丈夫ですので、移動中や控室、お食事の際は脱いで暑さを凌ぐと良いでしょう。
葬儀の喪服に関する疑問4:ネックレスやブレスレット、時計などの装飾はしてもいいの?
原則、装飾品は無い方が良いです。
結婚指輪以外の装飾品は外すようにして下さい。
もし、時計などを着用したい場合は、金色などの派手な装飾の時計は避け、地味なシルバーなどの時計を着用してください。
まとめ:準喪服を備えておくとオールマイティに大丈夫
一昔前は、「喪主は正喪服を着用するのがマナー」「通夜は略喪服がマナー」などと、風習がありましたが、現在は葬儀の服装も形が変わってきました。
通夜に準喪服を付ける方が増え、喪主も準喪服を着用する方が増えました。
結論、オールマイティに使える準喪服を一着持っておけば、困ることは無いでしょう。